「はじめの1体を作る」以来ね♪
今日はミクロレディの肩クラックへの対策と補修法について、
ウチのマスターがやっている比較的簡単な方法をご紹介するわ。
じゃ、さっそく始めましょうか。

ミクロレディの持病の一つと言えるのが肩リングパーツのクラック(ひび割れ)ね。
これに悩まされている人は多いんじゃないかしら。
ただ割れているだけならまだしも、肩関節がプラプラになって扱いにくくなったり
肩が外れやすくなったりする事もあるから困るのよね。
予備のミクロレディやマテフォレディをたくさん持っている人なら
正常なパーツを移植しちゃえばいいんだけど、最近はマテフォの入手も
困難になっているからそうもいかない場合もあるでしょう。
ではまず割れる原因の特定と、クラックの予防法の検討から始めてみましょう。

まずこのクラックは肩リングの外側(上写真赤矢印)付近で起こるのが
特徴なのね。
逆に他の場所、上写真の青矢印で示したパーツの上下側で起こる事は
ほとんど無いわ。
ミクロレディに使われているポリカーボネイトは
「長期間圧力がかかっていると割れる」という特性があるみたいだから、
肩リングパーツ外側に不必要なテンションが集中しているという事になりそうね。

その原因はおそらくココ。
赤矢印で示した肩パーツと肩リングパーツの接触部分が明らかに
タイトすぎて、不必要な圧力が生まれているのよ。

この肩パーツ同士の接触部分がキツイ為に、
肩パーツが外側に押される力が生まれて(上写真緑矢印)
リングパーツの外側に負荷が集中して割れてしまうみたいなの。
この負荷を何とかしないと修理してもおそらく無駄だし、
まだクラックが発生していないリングパーツのクラック予防にもなるから
まずはこの部分から解決していきましょう。

これが今回使用する道具類。
一般的な瞬間接着剤(ゼリー状等の粘性が高い物は不可)とマチ針、
そして平ヤスリが1本よ。

じゃ、クラック予防対策から説明するわね。
と,言っても上写真で黒く塗られた部分を削って肩パーツとの接触部分を
調整すれば基本的にはOK。

平ヤスリで削っていくわ。
ある程度削ったら肩パーツと合わせてみて、削った部分が肩パーツと
干渉しなくなれば大丈夫よ。

左側が未加工のリングパーツ、右が加工後よ。
矢印で指している肩パーツとの接触部が下がっているのが分かるかしら。
実寸だと0.5ミリくらい削る感じかしらね。これで肩パーツとリングパーツの
接触部分がなくなってクラックが入ったり広がったりするのを
防いでくれるはずよ。
まあでもウチのマスターの個人的な見解だから
100%効果があると断言できないのが難点なんだけど・・・。
あとこの改修で肩パーツの可動がゆるくなったりするような
支障が出る事は無いからその点では安心してね。

じゃ、次は完全に割れてしまったリングパーツの補修ね。
これも実は簡単。瞬間接着剤をマチ針の先につけて割れ目に流し込んでやればいいの。
あまり大量に塗りつけてもほとんど意味は無いから少量でOK。
クラックがピッタリ閉じて接着剤がクラックの間に流れ込まない時は
リングパーツの穴に細い棒を差し込んで軽くこじるようにしてクラックを開き、
そこに瞬間接着剤を流し込めばいいわね。

接着剤が乾いたらパーツを元通り組み立てて肩関節を動かしてみてね。
肩関節がスムーズに動くようになっていればOKよ。

ウチのマスターの経験だと、マテフォレディにもクラックが入りやすい色、
逆にクラックが入りにくい色があるみたいなの。
経験上特に肩リングパーツが割れやすいのが白と黄色のマテフォ。
茶とピンクも白黄程じゃないけど割れる事があるようね。
逆に男性ミクロやシスターで破損しやすい槍玉に挙げられる黒には
なぜかあまりクラックが見られないのが不思議よね(苦笑)
ミクロレディではシャンニーが特にクラックが入りやすいみたいなので注意して。
ウチのマスターのは両肩やられちゃったらしいわよ・・・。

さ、講義はこれにて終了よ。いかがだったかしら?
まだ無事な白黄のマテフォレディやシャンニーを持っている人は
上記したクラック予防改修を試してみてね。割れる前に対策するのが
一番だと思うから・・・。
それから今回の記事で分かりにくい部分や何かご意見があれば
遠慮なくコメント欄に書き込んで頂戴。
じゃ、またいつかお会いしましょう♪
これは非常に助かります。
いままで何体修理したことか。
そのわりにまたすぐ割れちゃったりしてげんなりしたりプラ棒から作ったりしてましたが成る程、テンションの掛かり具合が関係してるのかもしれないんですね。
考えてもみなかったです。
そういえばうちのも黄色がよく割れますね。あと水色。
なるほど、割れる原因はそれでしたか!
てっきり材質の問題だけだとばかり思っておりましたが。
プラリペアとかそういう本格的なモノでなければ直せないかなと思ってましたので、
瞬着で修復出来ると教えて頂けて助かりました。
うちのは白がよく破損してましたが、同じ色でも材質に何か違いがあるのか、
破損し易いのとそうでないのもあるみたいですね。
おぉ、これまたナルホ堂。
組合せ干渉で圧力ですか。
うーん、力学だなー。
にしても、いいんちょ@さんの解説はホントに上手ですよね。判りやすいです。
色によって割れやすい差が出るってことは
色素分子結合に差があるのか?(難)
なるほど・・・
テンションの掛かり具合でわれてたんですね。
白、何個割れたことか・・・
さっそく、修理&改修を施しますとしますか、体がまともなうちに^^;
・・・ああ!シャンニーの肩が真っ二つになっとる;;
コメントありがとうございます。
>テンションの掛かり具合
肩関節を動かしてみると分かるんですが
アノ部分はかなり強くこすれあっていて、
悪さをしているのはココしか無いと思います。
>水色
ウチは水色が割れた事は無いですが
まあぶっちゃけどの色にも破損は起こりえるので
油断は出来ないですね。
コメントありがとうございます。
>材質の問題
材質的な問題とも言えなくも無いですね。
ミクロのポリカ樹脂は「硬いが粘りがない」性質みたいで
変形に弱いみたいですから。
>同じ色でも材質に何か違い
白マテでも必ず割れるワケじゃないですからね。
この辺は正直運です。
コメントありがとうございます。
>解説はホントに上手
そう・・・でしょうかね?なんか直接会って説明すれば
簡単な事なんですが、文章と写真だけだと
どうも説明臭くなっちゃいますね。
>割れやすい差が出る
樹脂材料に詳しい訳じゃないんですが
破損確率が露骨に違う所を見ると
発色の為の染料や製造時期によって何かの違いが
あるんでしょうね。
コメントありがとうございます。
>テンションの掛かり具合
アノ部分はおそらくパーツ同士の摩擦をきつくする事で
関節のゆるみを防ぐ効果を狙ったのかもしれませんが
正直言って設計ミスですね。アノ部分を削っても
可動の「固さ」には大した影響が無いので・・・。
>シャンニーの肩が真っ二つ
あああ・・・ご愁傷様です・・・
ウチも両肩逝きましたorz
なるほど!修復は同じようにしてましたが、破損の原因は思い当たらなかったです!ウチでは一度に二箇所が折れちゃったのもありました。
ふむふむ、やはりテンションの問題なのですね。
修復方法も勉強になりました。
さぁうちのコたちも修理しとくかー(白は殆どやられてますから)
シャンニーだけは、早々にリングパーツ部分はバラして
保管しているのですが、大丈夫かなぁ。
最近弄ってないや(おい
うちもかなりの子がやられてるのでこれはとても参考になりました。早速点検と手当てをしてみまっす。ミクロ、久々に弄ってみた時に破損してるの発見すると凹みますよねぇ;
ウチも黄色レディの両肩いきましたね。
その時とファントム、ロベルトはプロユースのさらっとタイプの接着剤でどうにかなりましたが…。
メーカーに在庫及び再販の予定がないので補修講座は為になります。
コメントありがとうございます。
>破損の原因
肩関節を動かしてみると分かるんですが、
例の干渉部分に押されて肩パーツとリングパーツとの間に
隙間が出来るんですよね。
リング外側に破損が集中するので、原因は
おそらくこれかと。
コメントありがとうございます。
>白は殆どやられてますから
特に白と黄色は破損率高いですね。
今回紹介した方法で一応修理は出来ますが
強度的・外観的にも破損前の状態には劣るので、
事前に対策をしておくに越した事はないですね。
>シャンニー
シャンニーは通常レディの中でも特にもろいみたいなので
干渉部分を削っておいたほうがいいでしょうね。
ただ今回紹介した方法で100%破損を防げるかどうかは
正直わかりません。
コメントありがとうございます。
>参考になりました
レディでもこの部分は特に可動の際の障害になりやすいので
今回紹介してみました。
私もこの方法で何体か予防処置&修復をしていますが
今のところ破損や修理部分の再破損は起きていません。
ただ今回の方法で修理した場合、
強度的には破損のない状態の時より落ちていると思うので
無理は禁物ですが。
コメントありがとうございます。
>補修講座は為になります
ありがとうございます。お役に立てれば幸いです。
ただ破損に対し100%効果があるとは言い切れないのが
少々苦しいところではありますが・・・。
まあ「やらないよりナンボかマシ」「気休めにはなる」
くらいに思っておいたほうがいいかもしれませんね。
いやあ、的確な解説、為になります。
補修もそうですが、予防策を教えていただけると
これからもミクロで遊んでいけるので嬉しいです。
コメントありがとうございます。
>為になります
ありがとうございます。お役に立てれば幸いです。
このリングパーツのクラックはマテフォレディの
最もよくあるトラブルですし、原因や対策を解説した
サイトが無いように思ったので今回紹介してみました。
100%クラックが防げるかどうかはわかりませんが
一応効果はあると思います。
確かに、肩は割れますよねー。私も何度補修したことか。外側に力が集中するというのはナルホドと思いました。あと、やっぱりこの素材がよくなかったというのはあるんでしょうね。古いマテフォなんか全身クラックだらけです…
コメントありがとうございます。
>この素材がよくなかった
硬いのはともかく、どうもモロ過ぎるみたいなんですよね。
粘りが無いというか。
クラックもただヒビだけならまだいいんですが、
レディの肩リングのように完全に割れてしまうと
ポージングさせるときに重大な影響がありますし、
この部分の破損は多いはずなので
今回紹介してみました。
ウチのは。。。割れてない方を探すのがむつかしいぐらい割れてますね。。。もちろんしゃんにーも。。。
コメントありがとうございます。
>探すのがむつかしいぐらい
構造的に薄くて弱い部分な上に明らかな
設計ミスですからね・・・。
でも一応修復可能なので試してみてください。
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