オリジナルミクロを作ろう!:はじめの1体を作る 「縛りの中の世界」
初めての1体をあなたに。第3回です。
はじめの1体 022

グレイス: 皆さんこんにちは。「はじめの1体を作る」講師役のグレイスよ。

前回は「制限ありき」の考え方からオリミクロのデザインを絞り込む方法について
解説したわね。

うちのマスターはこの制限の事を「縛り」と呼んでいるわ。

前回例に挙げたマリエッタは「黄色M胸素体を使う」というのが最初の「縛り」
だったんだけど、もちろん他にも縛りの条件にするパターンはあるのよ。

おさらいも兼ねて、ちょっと別キャラの製作パターンも覗いて見ましょうか。






その他 028

次のサンプルは「マキ」ね。

マキの場合はまずオリミク用として入手した「サムライスピリッツ・真鏡名ミナ」の
ヘッドを使用するのが前提条件になっているの。とても可愛い顔立ちだったから、


可愛い=ピンク素体だろ!


っていうなんとも安直なセンスでピンク色素体を使う事にしたの(笑)

次に使う色の選択ね。
ピンク色に合う色って実はかなり限られちゃうのよね。候補に上がったのは
白と黒だったんだけど、白はマリエッタですでに使っちゃっているから黒に決定。

ペイントパターンはマリエッタを参考にしつつ、量産をあまり考慮しないので
ややパターンを複雑化させたのね。

ポイントとしてはマキとマリエッタではペイントパターンには共通性は薄いけど
ペイントされている場所はほとんど同じ
っていう所かしら。

これも一種の「縛り」と言えるかもね。でもおなじミクロ側キャラとしての統一感を出すのに
この方法はとても有効だと思うの。ちょっと覚えておいてね。








グレイス2 003

うちのマスターがオリミク作る時に一番よく使うのがこのマキの方法、つまり
「ヘッドをまず決めて、それに合う素体を決める。そして素体に合う色を塗る」
ってやり方なの。

ちなみに静やリンファそして私、グレイスもこの方法で作られているのよ。
ある程度模型製作のスキルがあって、道具もそれなりに揃ってる人には
向いている方法かもしれないわね。


でも今回はこの方法は使いません。

今回はヘッドは後回しにしてボディの製作を優先させます。ヘッドはあなたが
好きなものを乗せてちょうだい。

何せ今回は制限が多いし、初めてオリミク作る人も多いでしょうから、
ヘッドのイメージに左右されずに作った方が余計な事考えずに済むと思うの。

製作の方向性は別の所から決めていく事にしましょう。



じゃ、今回のオリミクの製作にかかる「縛り」を確認するわね。

高価な材料、入手しづらい材料を使わない
エアブラシ封印
筆塗り
塗装ポイント・塗装面積はなるべく減らさない
なるべく短時間で出来、それなりにカッコよく見えるマスキングパターン


こんな所かしら。いつものマスターの作成方法を考えると、なかなか厳しい条件ね。







20070917015755.jpg

今回一番のポイントはエアブラシが使えない・筆塗りで作るって所かしら。

筆塗りって事は細かいマスキングを使ったパターンは使いにくいし、
筆ムラの出やすい色、隠ぺい力の弱い色は使えないって事だから。

これはデザインや配色に繋がる最も大きな要因になりそうだから、今回は
塗る色から決めていきましょう。

で、今回塗装する色は・・・








はじめの1体 037

黒!!(ラッカー系)

意外だったかしら?
でも筆塗りって事を考えると黒って色には様々なメリットが考えられるのよ。
例えば・・・

1:隠ぺい力が高い
2:色的にマッチする素体色が多い
3:筆ムラが目立ちにくい
4:失敗した箇所や塗装面に傷がついてしまった時のフォローが楽
5:黒素体を組み換えに使える


・・・と、ざっと考えてもこれだけのメリットがあるの。ちょっと解説するわね。



1:隠ぺい力が高い

「隠ぺい力」っていうのは要は下の色を覆い隠す能力って意味なんだけど
黒っていう色はこの能力が高い部類に入るわ。

隠ぺい力が低い色(白・黄色・赤等)だと塗った時に下地である素体の色に負けやすくて
結果的にどうしても厚塗りになってしまうのよ。

塗料を分厚く塗る事には何のメリットもないわ。仕上げの手間や失敗する確率が
増えるだけだし。








マキ 027

2:色的にマッチする素体色が多い

黒は白と並んで、相性のいいマテフォの素体色の組み合わせが多いのよ。
白、ピンク、黄色、赤素体との色的相性が特にいいわね。

ライトブルー、ブラウン、ライトグレー素体もベストじゃないけどなんとか大丈夫ね。
黒塗装と相性が悪いのは黒、ネイビーブルー素体くらいじゃないかしら。

相性のいい色を塗るって事はそれだけ見栄えもアップするって事だし、
素体カラーの選択の幅が広いって事は「材料が用意しやすくなる」って事に
繋がるものね♪



3:筆ムラが目立ちにくい
4:失敗した箇所や塗装面に傷がついてしまった時のフォローが楽


これはさっきの隠ぺい力の話と近い話なんだけど、一般的には
暗い色ほど筆ムラが目立ちにくいの。

「筆ムラ」って言うのは塗料を筆塗りした時に出来る塗膜の凹凸の事なんだけど、
明るい色やメタリックカラーだとやたら目立ちやすくて仕上がりがキレイに見えないのよ。

4:もこれに関連しているんだけど、ミクロマンの関節を動かしている時に
うっかり塗膜を傷つけてしまったり、失敗して部分的に塗りなおす時にも
黒っていう色は目立ちにくいのよ。

ちょっとした補修なら黒のマーカーとかでも充分だしね。








アクロパメラ 006a

5:黒素体を組み換えに使える

これは変則的なメリットだけど、塗装面積や塗装箇所が少ない時に
黒素体を組み替えに使ってカバーするっていう方法が使えるの。
↑のアクロパメラがいい例ね。

他の色でも出来ない事はないんだろうけど、他のマテフォの色を調色して再現するのは
大変でしょうしね。

今回はこの方法は使わないけど、黒塗装に付随するメリットとして
覚えておいて損は無いわね。








はじめの1体 029

また長くなってしまったわね。今回はここまで。

次回は塗装するポイントの確認とデザインの考察に入る予定よ。

お付き合い頂きありがとう。また次回の講義でお会いしましょう♪




第4回へ(クリックでジャンプします)


2008/10/02(Thu) | オリジナルミクロを作る | トラックバック(0) | コメント(12) | page top↑
コメント
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黒塗装は隠ぺい出来るからいいですよね。
最近、隠ぺい力の高い黒塗料も出ましたが、黒だけは試す気になれないですよ。
次回も楽しみです。
by: LIVE−D * 2008/10/03 00:48 * URL [ 編集] | page top↑
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どもお久しぶりです。
「はじめの一体」シリーズ、楽しく拝見させて頂きました。
自分はマグネパワーズの頃に
改造に手を染めだたしんですが
初期五人のヘッドが全員違う&関節が少ないのが
最初のきっかけでした。
フォース系に移行してからはなるべく
オフィシャルモデルと一緒に居ても
違和感のない様にと心がけているつもりなんですが
やっぱり難しいです。

>黒
全くもって同感です(笑)
個人的な話ですがうちの場合
プリンターでシールを作る関係上
赤青緑系が塗装部分と色調統一させにくいので
黒をメインにしています。
なんでシールを使うのかというと単にふきっちょで
いいんちょさんの様に綺麗にマスキング出来ないから
なんですがorz
by: W-G * 2008/10/03 04:03 * URL [ 編集] | page top↑
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ふむふむ…確かに黒やネイビー素体だと、黒の塗装は全く目立ちませんよね;
私もネイビー素体を使って作ったオリジナルミクロレディがいますが、この子の場合はシルバーで色づけしています。
黒のラッカーか…今度探してみようと思います!
マキちゃんの、可愛い=ピンクも、よくわかります!
可愛い女の子となると、色はピンク系とすぐ想像できます。
関係ない話かもしれないですが、とあるメイクの本にでも、『黒は地味に見えて実は一番派手な色』だと書いてありました。
by: 汐梨 * 2008/10/03 10:07 * URL [ 編集] | page top↑
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よし、まずは黒ペイントと筆を買ってこよう。…す、すんません、今まで組替え+ガンダムマーカーだけで済ませてきました; これを機にちゃんと筆で塗る事を覚えよっと(汗
by: ビンテージ * 2008/10/03 19:19 * URL [ 編集] | page top↑
--LIVE−D様--

コメントありがとうございます。

>隠ぺい力の高い黒

ん?これは「白」の間違いかな?
黒は隠ぺい力高いですよ。

白塗料だと以前に紹介した「ガイアカラー」の白が
隠ぺい力が強くて安価なのでオススメですよ。

ただやはり白の筆塗りは塗りムラが目立ちやすいので
エアブラシの方が無難ですね。
by: いいんちょ@ * 2008/10/03 21:52 * URL [ 編集] | page top↑
--W-G様--

コメントありがとうございます。

>違和感のない様にと心がけて

W-Gさんのカスタムミクロは正規商品と比べても
なんら遜色の無いカッコイイ出来だと思いますよ。

シールのデザインが素晴らしいです。ああいうセンスは
私には無いですね。

>塗装部分と色調統一

黒はそういう点では楽なんですよね。

>プリンターでシール

あれはあれで技術が要りそうなんですがw
パソコンでのデザインやサイズ調整なんかを考えると
凄く手間がかかってそうです。
by: いいんちょ@ * 2008/10/03 21:59 * URL [ 編集] | page top↑
--汐梨様--

コメントありがとうございます。

>シルバーで色づけ

銀も大抵の塗料で隠ぺい力が高い色ですね。
筆ムラがやや目立ちやすいので筆塗りとの相性は微妙ですが
色的な相性も豊富なのでエアブラシで塗装するなら
扱いやすい色です。

>ピンク系とすぐ想像

色にはそれぞれイメージがありますから、
ヘッドの印象と上手く合わせてやるといいですね。

>黒は地味に見えて実は

なんとなく解る気がしますね~。
by: いいんちょ@ * 2008/10/03 22:05 * URL [ 編集] | page top↑
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何度もコメントして、すいません。
SGIクレオスのMr.カラーGXシリーズのことです。6色あるんですが、黒だけは試してないのです。
by: LIVE−D * 2008/10/03 22:06 * URL [ 編集] | page top↑
--ビンテージ様--

コメントありがとうございます。

>黒ペイントと筆

ああ、ちょっと待って。
実は他にも要る物があるんですよ。
その辺はまたそのうち講座内で説明しますね。

ガンダムマーカーでも悪くは無いんですが
塗膜強度を考えるとラッカー系塗料が上なので
アクションフィギュアにはこちらが向いているでしょう。
by: いいんちょ@ * 2008/10/03 22:10 * URL [ 編集] | page top↑
--LIVE−D様--

Mr.カラーGXシリーズ

ああ、そういう事でしたか。
GXシリーズは自分は使った事無いですね。

でも黒は今回の講座でも紹介したとおり
様々なメリットのある色ですので何も考えずに
1体作るという今回の企画には向いている色だと思います。
by: いいんちょ@ * 2008/10/03 22:13 * URL [ 編集] | page top↑
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なるほど、黒のメリットっていろいろあるんですね~
作業面だけじゃなく、相性がいい素体色が多いのもありがたいですね。
マテフォの入手がどんどん難しくなってきてますから・・・
by: tenbu2 * 2008/10/06 00:03 * URL [ 編集] | page top↑
--tenbu2様--

コメントありがとうございます。

>黒のメリット

黒と白は相性のいいマテフォカラーの多い色ですね。
ただ白は筆塗りがあまりに難しいのでやめた方が
無難です。

黒なら相性がいい素体色も多いし、
比較的扱いやすい色だと思って今回は黒を採用しました。
by: いいんちょ@ * 2008/10/06 00:14 * URL [ 編集] | page top↑
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