オリジナルミクロを作ろう! ヘッド編その3
ヘッド製作編、いよいよ塗装に入ります。
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加工したガシャポンヘッドに色を塗るワケですが、ガシャの素材の関係で
そのまま銀塗装しても塗料の食いつきがよくありません。

つまりハゲやすい訳で、ただ飾るだけの無可動フィギュアならいざ知らず
触って、ポーズつけて遊ぶアクションフィギュアでは致命傷です。

また肌色の状態では気づきにくいですがガシャフィギュアの肌表面は
成型時にできるシワなどでかなり荒れていることがあります。
銀色塗装はこの手の凸凹に非常に影響されやすく、表面を整える工程が
必要になる場合があります。

そこで銀塗装の前に下地作りを行います。使用する材料が上写真。

写真上段左はクレオスメタルプライマー。同中央は両面テープ。チープなものでOK。
同じく右はタミヤ製プライマーサーフェイサー(グレイ)。
下段は平筆と料理用の竹串です。








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両面テープを小さく切り出して竹串のとがっていない方に貼り付け、そこに
外した髪パーツを付けてやります。「持ち手」を作るワケです。

フェイスパーツのほうはすでに3ミリ穴が開いているので、竹串にセロハンテープを
巻きつけて少し太くし3ミリ穴に差し込んで持ち手にすると良いでしょう。






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塗料の食いつきを良くする為にメタルプライマーを塗ります。
薄めたりする必要はありません。1センチ幅くらいの平筆が使いやすいです。
あまり厚塗りする必要はありません。

顔パーツにもこれを塗れば基本的にはOKなのですが、その前に前述の通り
顔表面に不必要なシワやミゾ、凹凸がないか慎重にチェックして下さい。

塗り終わったらなるべくホコリが付かないような場所で乾燥させてください。
1時間も乾かせば次の作業に移れます。







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さて、マリアの方は肌表面にたいした問題は無かったのですが、「昴」の方は
肌がかなり凸凹してましたのでメタルプライマーではなくサーフェイサーを使います。

私が愛用するのはタミヤのプライマーサーフェイサー。プライマー成分が
含まれているので食いつきがよいのが特徴です。まずは全体に軽くスプレーします。

グレー1色になるので肌色の時よりもキズや凹凸が見つけやすくなります。
また小さなキズや凹凸ならサーフェイサーが埋めてくれます。







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わずかに残った凹凸部分には1000番くらいのペーパーでサーフェイサー層をならし、
さらにサーフェイサーをかけて乾燥させます。あまり厚塗りになると
必要なモールドまで消えてしまうのでほどほどに。

サーフェイサーでは中々消しきれないような深いキズがある場合には
前回紹介した「溶きパテ」を使って埋め、ペーパーをかけたあと
サーフェイサーを吹き付けるとよいでしょう。

サーフェイサーはプライマーに比べると乾燥が遅いので、半日~1日乾燥させましょう。







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次はいよいよ塗装に入ります。
写真上段左は模型用ラッカー薄め液。同右は当ブログでも時々話題に出る
プラチナペイントマーカー(銀)。ダイソーで購入可能です。
下段は左からスポイト、タミヤ調色スティック(割り箸とかでも可)、塗料皿です。








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プラチナマーカーをよく振った後、塗料皿に押し付けて中の塗料を出します。
昔はコレを直接筆塗り(アクロシルビアまで)していましたが、どうしても
厚塗りになったり、乾燥が速すぎてムラになったりしていました。

どうしたもんかと色々試していたらなんとこのマーカー、

ラッカー系薄め液で希釈できる事が判明!

それならエアブラシ塗装もできるはず・・・ってことで







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これが私が長年愛用しているエアブラシシステム。もうあちこちボロボロですが
まだまだ快調に動きます(笑)

コンプレッサーはタミヤスプレーワークHGコンプレッサー。これはすでに絶版で
現在はさらに改良されたHGコンプレッサーレボが発売されています。

左にあるのは水抜きを兼ねたクレオスのエアレギュレーター。
エア圧力を可変させる事もできるのですが、コイツくらいの
低圧なコンプレッサーでは必要なかった・・・orz









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こちらがエアブラシ本体。タミヤ製のスプレーワークHGエアーブラシ。
ノズル口径0.3ミリ、ボディ中央のボタンを押すとエアが、ボタンを手前に引くと
塗料の量が変えられるダブルアクションと呼ばれるタイプです。








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まずは事前のセッティング。
塗装する対象が小さく、大量の塗料を吹き付けてもタレてしまうだけなので
ミスを起こさない様にあらかじめ塗料の噴出量を小さくしておきます。
後端のニードルアジャスターを回して調整します。

先ほど「ボタンを手前に引くと塗料の量が変えられる」と説明しましたが
ニードルアジャスターとはこのボタンの引き幅を制限してしまういわば
「リミッター」のような物です。

全開量(ボタンをいっぱいまで引き下げた時)の30%くらいまで制限します。







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塗料皿に出したマーカーをラッカー薄め液で1.5~2倍くらいに希釈してよくかき混ぜ、
エアブラシのカップに注いだらコンプレッサーのスイッチを入れ塗装開始です。

エアは全開、塗料噴出量もすでに制限してあるので全開で。
気をつけるのは塗装する対象とのエアブラシの距離。コンプレッサーの
出力にもよりますが、私のHGコンプレッサーの場合(エア圧力約1kg)なら
10~15センチくらい。意外と近距離です。

怖がって距離が遠すぎると塗装面がザラザラになってしまいます。
塗料の噴出量をあらかじめ絞っているので「吹き付けすぎ」という事は
起き難くなっていますから、安心して近距離で吹き付けましょう。

もう一つ注意する事は、吹き始めはパーツに向けずにパーツに当たらない位置で
吹き始め、そのままブラシを移動してパーツに吹きかける事です。

これは吹き始めは塗料の粒子が安定しないためで、塗料を噴射しながら
ブラシ本体を一方向に動かして、「塗料の霧の中をパーツが通過する」ような
感じでやるとよいでしょう。

「銀色」は隠ぺい力が非常に強い色なのでそれほど厚塗りする必要は無いですが、
髪の毛のエッジの裏や深い溝等への塗り残しが無いようにチェックを忘れずに。






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銀色を吹き付けたマリアヘッド。本家のメッキにはさすがに及びませんが
プラチナペイントマーカーは一般的なラッカー系塗料のMrカラーの「シルバー」や
「スーパーシルバー」に比べると遥かに粒子が細かく、ギラッとした輝きを放ちます。

この段階でホコリ等が付いてしまった場合は一旦乾燥させてから1500番くらいの
目の細かいペーパーでこすり落として再度銀色を吹き付けてリカバーします。







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塗装が終わったら完全に乾燥させます。写真は段ボール箱にドリルで穴を開けて作った
自作の乾燥台。くれぐれもホコリが付かないような場所で乾燥させましょう。







さて、次回「オリジナルミクロを作ろう!」はヘッド編最終回。
「クリアーコートをかける」の予定です。





2007/09/22(Sat) | オリジナルミクロを作る | トラックバック(0) | コメント(8) | page top↑
コメント
--勉強になります!--

細々と解説ありがとうございます!
私は「まだ」手塗りですが、いずれはコンプレッサーの購入も考えておりますので、この説明は大切にコピペしてメモとして保存させて頂きますネ(いいですか?)
次回も宜しくです!!
by: SAT * 2007/09/22 21:12 * URL [ 編集] | page top↑
--なるほど!--

だからペイントマーカーでも仕上がりが綺麗なわけだ。。。かなり丁寧に手間をかけてるからだったんですね~

見習わなきゃ。。。。
1500-2000番のペーパー、どうも扱いが難しい。僕はいつもかけすぎて塗装やベースを剥いじゃうんですよね。。。。

by: ゼントラン * 2007/09/23 06:51 * URL [ 編集] | page top↑
--SAT様--

コメントありがとうございます。

>いずれはコンプレッサーの購入も

割と高額なシロモノだけに費用対効果が難しいですが
通販なら初心者用コンプレッサーとダブルアクションエアブラシのセットで
2万5千円前後くらいでしょうか。

エアブラシは「シングルアクションは初心者向き」と
解説している本もありますが、私は最初からダブルアクションの方が
いいと思います。

コンプレッサーは扱いやすさならタミヤのHGレボ、
静粛性を求めるならクレオスのリニアコンプレッサーL5あたりかな・・・。
もう少し詳しい情報が知りたい場合はコメント欄にて
遠慮なく聞いてください。

>コピペして

こんなもんでお役に立てるなら光栄です。
by: いいんちょ@ * 2007/09/23 18:14 * URL [ 編集] | page top↑
--ゼントラン様--

コメントありがとうございます。

>手間をかけてる

私は自他とも認める貧乏人ですが「手間」はタダですので(苦笑)
ただある程度の妥協も必要ですけどね。

>ペーパー、どうも扱いが難しい

1000番以上のペーパーは主に仕上げ用なので
撫でるくらいの感じでかけるといいですね。
by: いいんちょ@ * 2007/09/23 18:27 * URL [ 編集] | page top↑
----

ペイントマーカーの汁を薄めて吹いていたんですか!たしかに、ペイントマーカーのテロッとした感じはこの用途によさそうです。
しかしそのコンプレッサー、ブラシのホルダーが自作してあったり、相当年季の入ったモノに見えます。昔からプラモデルとかつくってらしたんですか?
by: yoyon_bee * 2007/09/23 20:43 * URL [ 編集] | page top↑
--yoyon_bee様--

コメントありがとうございます。

>ペイントマーカーの汁を薄めて

実はプレゼント用の「マキ」を作っていた際にこれまでの様に
マーカー液を筆塗りしていたのですが、この夏の暑さで
渇きが急速になってムラムラになってしまい、失敗しては
薄め液にヘッドをドボンを3回も繰り返すハメになり、
「エアブラシで吹けたら・・・」と思い試してみたらアッサリ成功(苦笑)

>昔からプラモデルとか

模型は小さい頃から作っていましたが、エアブラシを導入したのは
7.8年くらい前ですね。
ゾイドやミクロマンにハマる前は戦車模型を少々かじっていて、
塗装のために導入しました。

コンプレッサーが年季の入った様に見えるのは私の扱いが
手荒だから(笑)。

でも逆に言えばこんな扱いでも快調に動いてくれてる訳で、
タミヤのコンプレッサーやエアブラシはかなり信頼性が高いと
言っていいでしょうね。

現行モデルであるタミヤ製のHGコンプレッサーレボ
(私のモノより性能は向上していてほぼ同価格)と、
スプレーワークHGエアブラシの組み合わせは初心者にもオススメです。
by: いいんちょ@ * 2007/09/23 21:42 * URL [ 編集] | page top↑
----

マーカーを皿に入れて薄め液で薄めてエアブラシで・・・・そこまでしてたのですね。

恐れ入りましたw

私はペン先に筆を付けて筆で塗っていました。
銀ヘッドはライアンさんの素顔バージョンだったわけですが、ライアンさんの顔を塗る時は銀色を筆塗りした後触ると剥げるのを確認したので上からメタルプライマーでコーティングしましたわw

>マーカー液を筆塗りしていたのですが、この夏の暑さで渇きが急
>速になってムラムラになってしまい、失敗しては薄め液にヘッド
>をドボンを3回も繰り返すハメになり、「エアブラシで吹けたら・
>・・」と思い試してみたらアッサリ成功(苦笑)

俺ミクロの経験がものをいったわけですねw
筆ムラはどうしても出来やすいですからねえ orz

>タミヤスプレーワークHGコンプレッサー
うわw、懐かしいwww、昔ほしかったやつだww、いまだにコンプレッサーは手が出ないのでタミヤのエア缶の奴で塗っていますよ

ダブルアクションいいなああ
うちのはエア缶つきの奴だったので安物ですw

いいんちょ@さんのオリジナルミクロを作ろう!は本当に参考になります。
by: サクラん * 2007/09/24 13:01 * URL [ 編集] | page top↑
--サクラん様--

コメントありがとうございます。

>メタルプライマーでコーティング

メタルプライマーは樹脂成分が少ないのでコーティングには
クリアー塗料の方がいいと思います。

>筆ムラ

ペイントマーカーは乾燥がメチャメチャ速いですからねぇ。
ラッカー薄め液で希釈できるのには驚きましたが。

>タミヤのエア缶の奴

タミヤの「バジャー」でしょうか?
少々高いですがシングルよりはダブルアクションの方が
メリットは大きいですね。
by: いいんちょ@ * 2007/09/24 19:08 * URL [ 編集] | page top↑
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