ちょっとした加工を紹介します。
ミクロレディは1/18というサイズの割には非常に優秀と言える
可動範囲を誇っていますが、なにしろ人間とは違って
硬い樹脂で作られたボディですから苦手なポーズという物もあります。

なかでも代表的とも言えるのが女性ポーズの定番「体育座り」が出来ない事。
ミクロレディで体育座りをさせると腰と太ももの可動範囲が足りず
↑写真のような姿になってしまいます。
他のフィギュア、例えば武装神姫は体育座りが可能な関節構造をしていますが
まるで太ももが外れたような姿になってしまいますし、開脚がやりにくい等の
欠陥も抱えています。
可動範囲を広げる為に腰パーツを削ってしまうという手っ取り早い方法も
ありますが、個人的にはなるべく外観はそのままにしておきたい。

「外観を変えずに体育座りを実現する」そんなテーマに挑戦した
オリミクレディが↑の「ミクロレディ・リンファ」でした。
リンファは「腹部上部関節の可動確保」と「腰パーツの上方移動幅拡大」という
2つの改良によって体育座りをなんとか可能にしています。
今回は「前編」という事で、腹部上部関節の可動を確保する改造から
紹介してみようと思います。

今回使用するのはマテフォレディ赤M胸。

個体差もありますが、ミクロレディに共通の問題として
「腹部上部の関節がほとんど動かない」というのがあります。
ミクロレディの腹部は上側に前後の可動軸、下側に腰関節と繋がる
ボール関節が仕込まれていますが、上側の前後可動が機能しない場合が
非常に多いです。

原因はココ。上写真で矢印が指している部分、
腹部パーツと胸パーツとの間がタイト過ぎて可動を殺してしまっています。
この2つのパーツの接触部分を削ってやれば基本的にはOKです。

今回使用する主な工具。
上はハンディリューターと切削用ビット刃。下は平ヤスリ。
ミクロマンに使われているポリカーボネイト樹脂は非常に硬いので、
リューターはパワーのあるコンセント式の方がいいでしょう。
リューターが無い方は平ヤスリ1本でも大丈夫な方法も紹介しますので
大丈夫です。

まずはリューターを使った方法。
胸パーツの上写真で黒く塗った部分をリューターで削ります。

実際には黒く塗った部分よりもう少し回りの部分を
削らなくてはならない場合が多いので、ある程度削ってみて
腹部パーツとの現物合わせで様子を見ながら
可動に干渉している部分を削っていきます。

削り終わった胸パーツ。
くれぐれも削りすぎには注意。

今度は背中側パーツの加工。
上写真で黒く塗った部分が可動の際に腹部パーツと干渉するので
この部分を削ります。
実際はこの黒い部分よりもう少し大き目の範囲を削ってやる必要があるので
黒い部分はあくまで目安です。
基本的にはココも現物合わせですね。

ある程度削ってみたらパーツを合わせて可動を確認します。
腹部上部関節がスムーズに曲げられるようになったらOK。
「リンファ」はこの「リューターで上半身パーツを削る」方法で改造していました。

もっと簡単な方法は腹部パーツの方を削る方法。
上写真の黒く塗られた部分を目安に腹部パーツを削って
胸部パーツとの干渉を減らす方法です。

平ヤスリでゴシゴシ削ります。

削り終わった腹部パーツ。
こちらもある程度削ったら胸パーツと合わせてみて、可動具合を確認しながら
削っていきましょう。

こちらもスムーズに腹部上部関節が動くようになりました。
こっちの方法のほうが簡単でお手軽に出来ますね。
ちなみに今回は前方向のみの可動を対象にしています。
後ろ方向への可動範囲拡大は腹部のネジを
ネジ頭の小さいものに変えるという方法がポピュラーですが、
前方向への可動に比べると必要性は薄いかな。

腹部を改造した赤マテと無改造のマテフォで屈伸させて見ました。
赤マテの方が屈伸の角度が深くなっているのが分かると思います。
この改造だけでも体育座りに近いポーズを取らせる事も可能ですが、
太ももがもう少し上方向に上げられるとより「らしく」なります。
次回は「後編」と題して、太ももの可動範囲を稼ぐ為に
腰パーツ内部を削る方法を紹介したいと思います。
以上、プチ改造講座・前編でした。
なるほど~、いんちょう@さんは、この様な工夫で可動域を増やされていたのですね!!
画像付の丁寧親切な解説、とてもためになります!
早速、わたしのミクロにも使わせて頂いて、夢の体育座りを実現に向けて前進です^^b
順序追って写真で解説されると凄い判りやすくていいですね。
為になります。
電池式のリューターしか持ってないので自分がやるときはデザインナイフ使うんですが硬い事硬い事。
おぉ~。
なるほどなるほど。
とても丁寧に解説していただいて、とっても判りやすいです。
私もやってみよう。
TOP写真の角度が絶妙で、リンファさんが艶っぽいデス♪
コメントありがとうございます。
>この様な工夫で
工夫って言ってもまあ削るだけなんで(苦笑)
そんなに威張れたもんじゃないです。
どちらの方法でも外見や強度に影響はないので
どちらでもお好きな方をお試しください。
コメントありがとうございます。
>電池式のリューター
電池式ではポリカーボネイトの硬さに対しては
パワー不足ですね・・・デザインナイフもうっかりすると
刃が欠けるしorz
まあ2番目の方法なら平ヤスリ1本でいけますし、
時間的にもお手軽です。
コメントありがとうございます。
>寧に解説
口で説明したり実際にやって見せれば
簡単な事なんですが、
写真と文章で説明するのは面倒ですね(苦笑)
>TOP写真の角度
ちょっとエロいアングルになっちゃいましたね(笑)
まあ私は基本的にドスケベなんで(爆)
写真の部分を加工すればよかったのか

リンファさんの写真から取り敢えず体育座りのできる様にはできたんですが、実は簡単にできたんですね。
また参考に挑戦させていただきます。
コメントありがとうございます。
>実は簡単に
リンファで使ったのはリューター使う方法でしたが
2番目の腹部パーツをヤスリで削る方法だと簡単ですね。
というかリューター法のメリットってほとんど無い(爆)
>取り敢えず体育座り
この改造だけでもかなり体育座りに近いポーズが可能ですね。
次回予定の「後編」ではもう少し太ももを上方向に上げられる様になる
改造を紹介する予定ですが、こちらは労力の割りに
効果は微小なので正直趣味の領域です(苦笑)
なるほど、いいんちょ@さんは上を削ってるんですねぇ。僕は逆に股関節のほうに切り込みをいれたのと、腰のボールジョイント手前を削ってできるだけ下のジョイントがまがるようにしてました。。。ただこっちだと、限界まで曲げたとき背中の隙間が開いて腰のボールジョイントが後ろから少し見えるようになっちゃうんですよね。なんかシャツがズボンから出て半ケツ状態みたいな。。。
屈伸したときに胸と太ももの隙間が2mmのとこまで行くので稼動範囲はすごくアップしてますけど、いいんちょ@さん式と組み合わせればちょうどいいかも♪
コメントありがとうございます。
>腰のボールジョイント手前を削って
実は私もその方法使ってます。
後編でその方法も紹介するつもりですよ。
>後ろから少し見える
その辺は構造上しょうがないですね。
なるべく外観を変えずに・強度を落とさずにとなると
おのずと限界がありますから。
お仕事お忙しいようですが、どうか
お体に気を付けてがんばって下さい。
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